この記事はこちら の構成の具体的な説明となります
ディレクトリ、ファイル構成
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| ├── docker
│ ├── docker-compose.yml
│ ├── composer
│ │ └── Dockerfile
│ ├── data
│ │ └── Dockerfile
│ ├── fpm
│ │ ├── Dockerfile
│ │ └── php-fpm.d
│ │ ├── docker.conf
│ │ ├── www.conf
│ │ ├── www.conf.default
│ │ └── zz-docker.conf
│ ├── gulp
│ │ └── Dockerfile
│ ├── nginx
│ │ ├── Dockerfile
│ │ └── config
│ │ ├── laravel.conf
│ │ ├── nginx.conf
│ │ └── nginx_run.sh
│ └── npm
│ └── Dockerfile
├── logs
└── www |
各種説明
こちらは各プロセスごとにディレクトリを分割し、それ専用のDockerfileを作成、docker-compose.ymlでそれらのビルド設定を記載し、一括ですべての環境を開始できるようにしています。
docker-compose.yml
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| version: "2" # docker-composeのversion2を使用
services: # 各種サービスの設定
data: # データボリューム用コンテナ、ソースやDBのデータ等開発で生成するものはここにマウント
build: ./data
volumes:
- ../:/data
- /var/lib/mysql
db: # DBストア
image: mariadb
volumes_from:
- data
environment:
MYSQL_ROOT_PASSWORD: pass
fpm: # php-fpm: PHPプロセスを実行するコンテナ
build: ./fpm
volumes_from:
- data
nginx: # php-fpmにリバースプロキシする
build: ./nginx
volumes_from:
- data
links:
- fpm:fpm
ports:
- "80:80"
composer: # composerコマンドを実行するときに都度実行
build: ./composer
volumes_from:
- data
gulp: # gulpコマンドを実行するときに都度実行
build: ./gulp
volumes_from:
- data
npm: # npmコマンドを実行するときに都度実行
build: ./npm
volumes_from:
- data
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db
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| FROM debian:jessie
MAINTAINER "Kota Matsumoto" <kota1861@gmail.com>
RUN mkdir -p /data
VOLUME ["/data"]
CMD ["true"]
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このように/data
ディレクトリを作成し、そこにボリュームマウントできるようにしているだけです。
使用しているimageはdebian:jessieを使っていますが、これは他のサービスもこれを使っているからで、他のimadeでも問題ありません。
fpm
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| FROM php:7.0.12-fpm
MAINTAINER "Kota Matsumoto" <kota1861@gmail.com>
RUN apt-get update -y
# clean fpm conf
# RUN rm /usr/local/etc/php-fpm.d/*
COPY php-fpm.d /usr/local/etc/php-fpm.d
RUN mkdir -p /data
VOLUME ["/data"]
|
phpのDockerhubで公式にfpm用のimageを提供しているので、そちらを使っています。
ちなみにgithub上に元のDockerfileがあります。
なるべく最新のpackageを使いたいので、apt-get update
を行い、php-fpm.dに設置してあるfpm用の設定ファイルをコピーしています。
nginx
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| FROM nginx
MAINTAINER "Kota Matsumoto" <kota1861@gmail.com>
COPY config/nginx.conf /etc/nginx/nginx.conf
COPY config/laravel.conf /etc/nginx/conf.d/laravel.conf
RUN rm /etc/nginx/conf.d/default.conf
RUN mkdir -p /data
VOLUME ["/data"]
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nginxではphp-fpmを使用するため若干トリッキーなことをしています。
というのも、nginxからfpmのコンテナに向けてリバースプロキシをするために、サーバーのホスト名・ポート番号を下記のように指定する必要があるのですが
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| http {
upstream phpfpm_backend {
server fpm:9000;
}
...
}
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このfpmというのが、fpmサービスが提供しているもので、同じdocker-compose内だとこのサービス名がホスト名の名前解決に使われます。
またlogの出力先として/data/logs
を指定しているので、実行後のログはホストのlogsディレクトリに逐一反映されます
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| access_log /data/logs/access.log;
error_log /data/logs/error.log warn;
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gulp
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| FROM debian:jessie
MAINTAINER "Kota Matsumoto" <kota1861@gmail.com>
RUN apt-get update -y
RUN apt-get install -y curl git
RUN curl -sL https://deb.nodesource.com/setup | bash --
RUN apt-get install -y nodejs
RUN npm update -g npm
RUN npm cache clean
RUN npm i -g n
RUN n stable
RUN apt-get purge -y nodejs npm
RUN npm i -g gulp-cli
RUN mkdir -p /data/www
VOLUME ["/data"]
WORKDIR /data/www
ENTRYPOINT ["gulp"]
CMD ["-h"]
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最新のnodejsをinstallし、npmを最新にしています。
nパッケージを使用しているのは、apt-getに乗っかっているnodeだとgulpをインストールするバージョンに達しないため、nパッケージを使ってnodejsのバージョンを上げています。
ただ、nパッケージをインストールするにはnodejsとnpmが必要なため、一時的にインストールし、あとでpurgeしています。
ENTRYPOINTをgulp、CMDを-hとすることによって
docker-compose run gulp
と実行すればgulp -h
が実行され、
docker-compose run gulp <command>
とすればgulp <command>
が実行されます。
npm
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| FROM debian:jessie
MAINTAINER "Kota Matsumoto" <kota1861@gmail.com>
RUN apt-get update -y
RUN apt-get install -y curl git
RUN curl -sL https://deb.nodesource.com/setup | bash --
RUN apt-get install -y nodejs
RUN npm update -g npm
RUN npm cache clean
RUN npm i -g n
RUN n stable
RUN apt-get purge -y nodejs npm
RUN mkdir -p /data/www
VOLUME ["/data"]
WORKDIR /data/www
ENTRYPOINT ["npm"]
CMD ["-h"]
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構造としてはgulpとほぼ同じです。
完全に別にしていますが、このnpmのdockerfileをビルドしたものをどこかのレジストリにpushしておき、npmとgulpで同じimageをFROMに設定することでDRYにすることが可能です。
composer
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| FROM php:7.0.12
MAINTAINER "Kota Matsumoto" <kota1861@gmail.com>
WORKDIR /tmp
RUN apt-get update -y
RUN apt-get install -y git unzip
RUN curl -sS https://getcomposer.org/installer | php
RUN mv composer.phar /usr/local/bin/composer
RUN composer self-update
RUN composer global require hirak/prestissimo
RUN mkdir -p /data/www
VOLUME ["/data"]
WORKDIR /data/www
ENTRYPOINT ["composer"]
CMD ["--help"]
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こちらはcomposerを使用するだけなので、使用するimageは純正のimage(fpmとか入っていない)を使っています。
composerをcurlコマンドで取得後、実行可能な場所に設置するのですが、このディレクトリはこのコンテナだけが参照できるので、他のサービスではcomposerを使用することはできません。
composerの各パッケージを並列にインストールできるようhirak/prestissimo
をインストールしています。
composerの実行対象ディレクトリは/data/www
ですので、ここをworkdirとしています。
composerはキャッシュ機構があるので、複数人で開発をする場合は、都度composerの実行後コンテナをimageに固め、レジストリにpushすることで、各パッケージのインストール時間を軽減できます。
gulpと同様
ENTRYPOINTをcomposer、CMDを-hとすることによって
docker-compose run composer
と実行すればcomposer -h
が実行され、
docker-compose run composer <command>
とすればcomposer <command>
が実行されます。
使用方法
dockerディレクトリでdocker-composeコマンドを使用します。
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| # 各デーモン系コンテナの起動
docker-compose up -d
# laravelのインストール
docker-compose run --rm composer create-project laravel/laravel
# npmコマンドの実行(elixir等のインストール)
docker-compose run --rm npm install
# gulpでライブコーディング
docker-compose run --rm gulp watch
# composerパッケージのアップデート
docker-compose run --rm composer update
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まとめ
このように各サービス、プロセスごとに分割することで、それぞれのサービスを独立して管理することができ、開発に集中することができます。
LaravelではhomesteadというVagrantで動くものを提供していますが、Docker for Mac等Dockerをローカルで使用できる環境が整ってきたので、起動スピードの早いDockerを使うのが何かと便利かとおもいます。